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聖心ニュース

税に関する高校生作文審査で、不二聖心女子学院の生徒が、
国税庁長官賞を受賞しました。

外観写真01
岸花帆里さん

国税庁が公募した「税に関する高校生の作文」で、不二聖心女子学院高校一年の岸花帆里さん(16)が、最優秀の国税庁長官賞に選ばれました。岸さんは、新聞で読んだコラムをきっかけに様々な税への興味関心が深まり、税の起源や使い道などを調べていく中で「税金で国のシステムが動いている」とわかり、作文にして応募しました。受賞について、「このような大きな賞をいただき、大変名誉に思います。自分の作品が評価をいただき嬉しいです。」と笑顔で喜びを話しました。

「もう、いやんなっちゃう!」
小学校六年の弟がいらいらした声を上げた。今年は夏休みの宿題に、毛筆が出ているらしい。クーラーのついた和室に新聞紙を敷き詰めて、朝からずっと取り組んでいる。
「頑張ってるのに、なかなかうまくいかないね」
少しかわいそうになって、弟の顔を覗き込みながら声をかけた。課題は「振替納税」。良い作品はコンクールに出されるという。
「ねえ、ところで振替納税って何なの?」
「そんなのわかんない。僕はお手本の通りに書くだけだよ」
「そうか、そうだね。じゃあ、がんばって。私も宿題頑張るからさ」
声をかけて涼しい和室を出たが、廊下にはむっと暑い空気が満ちて宿題をする気分になれない。
 「振替納税」。その言葉が気になって、そのまま宿題を再開する気持ちになれずパソコンの前に座った。
 検索をかけて見ると、十七万件もかかった。とりあえず目に付いたものからホームページを開いて斜めに読んでいく。難しい言葉が並んでいて詳しいことはわからないけれど、どうやら振替納税とは、税金も電気代や学費のように、決まった日に金融機関の口座から自動的に引き落とされるという制度だとわかった。申告所得税と消費税・地方消費税で利用できること、およそ四十年前に納税貯蓄組合の働きかけによってできた制度であること、納税の為に現金を持ち歩かなくてよい「安心」、納税の為に金融機関の窓口に出かけなくて良い「便利さ」、そしてうっかり納税期限を忘れることがない「確実さ」が特徴であると記されていた。
 税の起源は、どこまでさかのぼれるのかわからないほど古い。紀元前数千年前、すでに税についての記録があるという。もともとは神への自発的な捧げ物として行われ、古代のユダヤでは得られたことへの感謝としてそのものの十分の一神に捧げる(什一税)ことがなされていた。これはやがて強制され、支配者を支えるために用いられた。重い負担を負わされた民衆が怒りの声をあげ、政変や革命につながったこともたくさんある。日本でも律令国家で租庸調が課されて以来、さまざまな税が課されてきた。税というと「とられる」というイメージがあるのも、こうした社会を支配する仕組みとセットになっているからかも知れない。
 だれだって出来ることなら自分のもとから出て行くお金は少ない方がいいに決まっている。働いてやっと手に入れた収入の中から一定の割合を所得税として引かれたり、欲しいものを買う時に五パーセント分余計に支払う消費税、上乗せされて知らない間に払わされている物品税。特に昨今のガソリン高騰でガソリン税や揮発油税を、タバコ値上げで煙草税を知った。ありとあらゆることに税金が課されていると思うと、それを払うことになる自分の将来が重苦しく感じられる。
 しかし、社会保障や公共事業、地方行政、国防など、国民が安心して安全に暮らせる社会を動かしていくためにも、当然ながらお金が必要だ。例えば、私たち高校生に一人当たり一年間で九十万円もの税金が使われているという。水道もゴミの処理も図書館も、毎日当たり前のように使っている行政の費用は国全体だと莫大な額になるだろう。それを誰かだけで負担するなど出来るわけはない。みんなが受けるのだからみんなが少しずつ負担するのが、公平なあり方だと思う。税の負担逃れや滞納をへらすために、電子申告や振替納税など納税者の利便をよくする工夫がなされることは大切なことだと思った。

 できることなら私はこうした社会に感謝して税を払える人になりたい。習字に行詰った弟に教えてやろう。君が書いている言葉の意味を。そして税の大切さを。

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